カラーとは
ダイヤの色合いを
評価したもの
ダイヤモンドの評価「カラー」とは、ダイヤモンドの持つ色合いをアルファベット順で評価したものです。
「D」カラーを無色とし、「N」カラーあたりまでを段階的に評価します。厳密には評価はZカラーまで存在しますが、Nカラーからを「Very Light Yellow」という、イエローカラーダイヤモンドの最も薄い色と評価するなど、Nは無色系統か有カラー系統かを分ける境界として扱われているため、アルファベット表記としてはD~Nが一般的となります。
カラーを評価するため、画像のように「カラーペーパー」という既定の白色をした紙を使い、折り目にダイヤを並べ、宝飾用の照明の下で色合いを観察します。鑑定の場合、比較する色の基準として「マスターストーン」を用います。マスターストーンとはDからN(またはZ)までのカラーのダイヤモンドがセットになったもので、これを基準にすることで個人の主観に左右されないようカラーを評価されます。


カラー評価は気にしすぎないこと
カラーの良さはダイヤモンドの良さではない
オーダーメイドのお店やブライダルのお店などでよくありますが、良いカラー(D~Fカラーあたり)のダイヤモンドだけを取り扱っているお店があります。
確かにD~Fカラーは無色な感じ強くキレイな色合いに見えますが、これはIカラーなどと比べたときでないとその色の良さを感じられません。G~Iカラーなどでも単品で見ると、さほど気にならない程度の色合いの差しか感じないものです。
カラーは評価の段階が多く、よく販売されているクラスのD~Nカラーあたりまでの11段階あります。(NカラーはVery Light Yellowとも呼ばれます) 本来はZカラーまでの23段階の評価が存在しますが、NやSカラーあたりまでしかアルファベット評価は使わわれていません。
1つ1つの段階ごとの差は小さく、色合いの差が分かりづらいものです。しかし1段階でもカラーが良くなると、もちろんお値段が高くなってしまいます。数段階のカラーにこだわり過ぎて高価になってしまうより、ご自分の良いと思えるカラー段階を把握していただき、【ポイント2】を抑えることで自分の欲しいダイヤモンドを選びましょう。
「イエロー系ダイヤモンド」と「希少な高額カラー」
Nカラー以下の「Very Light Yellow」やSカラー以下の「Light Yellow」と呼びます。これらは薄く黄色みがあるダイヤモンドです。この2カラーのダイヤモンドは薄い黄色であり、キレイではないとの評価から価格が低めになります。
これらを超え「Fancy」という単語がカラーにつくと、色合いが濃くなるため評価が逆転し価格が高くなっていきます。濃いイエロー系は「Fancy Yellow」や「Fancy Vivid Yellow」などFancyという単語がついた評価になります。
上記Fancyのように極端に濃い色合いを持つものは「カラーダイヤモンド」と呼ばれ、希少性が高いくかなりの高額になるカラーがあります。
希少な「レッド」「ブルー」「グリーン」や、やや希少な「ピンク」などのダイヤモンドは、世界的なオークションなどで莫大な高値が付いています。この中でも特に高価なカラーは「レッド」です。天然ダイヤモンドのレッドは特に数が少なく、1.0ctで1億円以上の値段が付くほどです。
カラーダイヤモンドとして評価されるのは「天然のカラー」であることが必須になります。人為的に着色したダイヤモンドも存在します。
人為的に着色したダイヤモンド
カラーダイヤモンドのなかには人為的に着色されたダイヤモンドがあります。Very Lightのような薄い色ではなく、VividやIntenseのような濃いカラーに着色されたものがほとんどです。
方法は様々で、高温高圧での着色や放射線照射による着色が一般的です。高温高圧や放射線での着色は研磨や酸での洗浄では色落ちがせず強い処理です。こういった処理をトリートメント(トリート)と呼びます。
また、中には表面だけ色を付ける簡単な方法もあります。ダイヤモンドの表面に色を塗った程度の薄い着色処理で、研磨したり酸での洗浄で簡単に色が落ちてしまう弱い処理です。
人為的に着色されたカラーの場合、鑑定書やソーティング(簡易鑑定)の色起源(Color Origin)の欄に「Treated(トリート済み)」や「人為的照射」と記載されます。天然カラーのダイヤモンドであれば「Natural」と記載されます。
人為的な着色がイコール悪いことではなく、ダイヤモンド特有の輝きと濃いカラーの色合いを気軽に楽しむには良いものです。しかしこういった人為的な着色は悪意を持って流通されることが多いため、着色されていることをご理解いただいた上でご購入いただくのが大事です。